不動産ドクター洲浜塾(2):空室対策「3つの法則」と「4つの対策」

地域で一番お客様から選ばれる不動産会社になるための学び

不動産ドクター洲浜拓志の『洲浜塾』

≪洲浜塾第2回≫

-不動産管理を任されている不動産会社様へ-

まだ埋まらない空室の悩みを解消する空室対策「3つの法則」と「4つの対策」

「賃料を下げるしかない」ということはない!

「賃料を下げるしかない」ということはない

アパートやマンションの管理を任されている不動産会社の皆さま!賃貸需要のシーズンは2~3月です。この時期を外すと途端に入居の需要者が減るので、空室対策はまったく次元の違う困難な局面に入ります。 賃貸繁忙期以外の時期で空き室が埋まらず、お困りではありませんか?また、あとは「賃料を下げるしかない」とあきらめていませんか?
私は8年の不動産オーナー業や不動産業界の経験から、空室対策について、そのポイントを整理してみました。まず、対策を打つ前に不動産会社ならば当然知っておくべき空室対策「3つの法則」をご理解いただき、そのうえで、現状の賃料を下げないで空室を埋める方法である「4つの対策」についてお話ししたいと思います。

【空室対策「3つの法則」】

  • 空室対策の法則(1):賃貸仲介において顧客から選ばれない不動産会社の特徴
  • 空室対策の法則(2):賃貸仲介において顧客から選ばれる不動産会社の特徴
  • 空室対策の法則(3):「需要と供給」を把握する

【空室対策「4つの対策」】

  • <対策1>インターネット広告の見栄えをよくする
  • <対策2>入居者ターゲットを広げる
  • <対策3>賃料以外のコストを削減する
  • <対策4>設備充実による物件価値向上

空室対策「3つの法則」

空室対策の法則(1):賃貸仲介において顧客から選ばれない不動産会社の特徴

現代はインターネットの時代です。そして、不動産業はまさに情報産業です。IT化や情報戦略に劣る不動産管理会社は、情報戦略に劣るので、優良な顧客を取り逃がしてしまいます。例えば以下のような特徴があれば、不動産会社としては選ばれにくいでしょう。

【選ばれにくい不動産会社の特徴】

  1. IT化の遅れた古い不動産会社。電話とFAXのみでメールが使えない。
  2. 「空室対策」は「賃料を下げること」しかないと考えている。
  3. 募集方法は自社だけで行っている。(他業者にも募集応援依頼をしていない)
  4. インターネットでの検索ができない。
  5. 募集チラシは、みづらい、わかりにくい、字が小さい、暗い。
  6. 土日祭休を休んでいて、入居者候補を取り逃がしている。
  7. お客様にチラシだけ渡して物件の案内をしない。

空室対策の法則(2):賃貸仲介において顧客から選ばれる不動産会社の特徴

反対に、顧客から選ばれる不動産会社の特徴は下記になります。

【選ばれる不動産会社の特徴】

  1. ネット検索やメールで情報のやり取りがスムーズ
  2. 広告がわかりやすい
  3. どんな小さな業務も誠実に、スピーディに対応する
  4. 業務委託報酬などのルールが明確
  5. リフォームなど費用負担ルールが明確

空室対策の法則(3):「需要と供給」を把握する

そもそも、その収益不動産が、賃貸需要に見合った適切な貸家となっているかという問題に目を向けることが必要です。基本的なことですが、「現地」をしっかりと見ていますか?もし自身が入居者だとしたら、住みたいと思うような物件となっていますか?

【現地で見るべきポイント】

  1. ゴミ置き場が散乱していないか。
  2. ポストに広告チラシがたまっていないか。
  3. 自転車置場は整理されているか。
  4. 敷地内に雑草が伸びていないか。
  5. 入口、廊下、階段近くなどにゴミが落ちていないか。
  6. 階段、バルコニー、柱等が錆びていたり、塗装が剥げていたりはいないか。

現状の空室、その4つの対策

現状の空室、その4つの対策

今まで紹介してきました「空室対策の法則(1)~(2)」を知ったうえで、現状の空室をどうするのか。その対処方法として「4つの対策」を解説します。

<対策1>インターネット広告の見栄えをよくする

まずはインターネット広告の見栄えをよくするという策です。例えば、賃貸物件の室内のサイズを測り、ニトリなどに行ってお似合いの家具を買い、室内に設置した写真を撮って掲載します。これは、1~5万円程度のコストで済みます。毎月の賃料を考えると全く安いものです。入居者にとってみると、そこでの生活が脳内でイメージできるので、殺風景な何もない空間の写真よりは断然印象が良いのです。
仮に入居者が気に入ってもらえたら、家具をプレゼントしてよいのです。そうでないならば、別の空き室に使って使いまわすとよいのです。そして写真も場合によってはプロにとってもらうと見栄えもよいでしょう。最近のネット広告はプロのカメラマンが撮っていることも多いので、見ためはとても重要になってきています。

<対策2>入居者ターゲットを広げる

ターゲット(1):新入社員
まずは、新入社員を狙います。つまり、4月の入社式や研修を終え、配属が決まり、着任が5月からなので引っ越しをゴールデンウィーク中にするような新入社員は意外と多いのです。これは最も即効性があります。
ターゲット(2):外国人(留学生)
まだまだ外国人を嫌うオーナーは多いので、逆にねらい目です。外国人専門の業者もあり、検討に値します。
ターゲット(3):生活保護者
家賃4万円であれば、生活保護者がターゲットとなりえます。市区町村からの賃料の直接振り込まれるので、回収のリスクがありません。
ターゲット(4):シングルマザー
たとえば、NPO法人リトルワンズのように、シングルマザーの仕事と住居をあっせんしている業者があります。意外と知られていませんが、一定の需要は常にあります。
ターゲット(5):高齢者
一人身の高齢者は保証人もないので、入居審査が通らないケースが多いのですが、最近は、入居時70歳までならば高齢者の保証を付けてくれる保証会社も出てきました。
ターゲット(6):ペット可
においがつくなどの問題もありますが、ペット可能とするとむしろ賃料を上げてでも入居者が見つかることがあり得ます。

<対策3>賃料以外のコストを削減する

入居者の賃料以外のコストを安くする策です。これはフリーレントといって、1~3か月程度、最初の賃料を無料にしてあげるのです。また、敷金や礼金を安くする方法もあります。 これは、賃料を引き下げずに、実際には入居者のコストを軽くするので決まり易くなります。

<対策4>設備充実による物件価値向上

建物の設備充実による価値向上という方法です。最近、テレビを持たない若者も増えていますが、逆にスマホやパソコンは必須アイテムです。Wi-Fiを設置し、建物内であればいつでも無線でインターネットが使える環境を提供するのです。この環境があるかないかで差別化できます。

以上が、考えられる空室対策です。それでも決まらない場合、初めて賃料の値下げを検討すべきかと思います。安易に賃料を下げるのではなく、打つべき手をすべて打ちましょう。

≪今回のポイント≫

安易に賃料を値下げするのはやめよう!