なぜ、違法民泊が放置されているのか

なぜ違法民泊が放置されているのか

現在行なわれている民泊は、旅館業法の違反の可能性が高く違法であるケースが多いにも関わらず、民泊ビジネスが放置されているのはなぜか。それは、実際問題として新規登録に摘発が追いつかないからです。

調査する人員・設備が不足している

摘発するためには、Airbnbだけで現に2万軒とも言われる物件の中から、民泊を「営業」している物件の特定が必要ですが、このようなサイトでは、実際に予約した者でなければ、宿泊場所の住所やこれを提供する者の連絡先がわからない仕組みとなっているため、違法性が高いグレーではなく違法なクロだと断定できるレベルまで、有償の民泊が常時行われている事実の把握と、所有者を特定するには相当な時間がかかります。そのため、時間を使い特定して摘発したところで、新たに登録される物件のほうが多く、摘発が追いつかいないという現実があります。

無許可サービスへの調査権限が小さい

旅館業法違反についても、以下のようなハードルがあります。すなわち、旅館業においては、行政庁に営業施設への立入調査、書類検査権限がありますが、その調査は通常保健所が行なっています。調査拒否に対しては、罰則・行政処分規定があるが、その対象者は旅館営業の許可を得た「営業者」であり、無許可業者は対象となっていません。このように無許可業者は、調査対象となっていない保健所は調査できないという現状があります。

違法という判断に曖昧な部分がある

無許可営業に対しては、懲役6ヶ月以下又は3万円以下の罰金が規定されていますが、旅館業の該当性判断には、解釈に幅がある項目もあり、行政調査よりも事案の把握・法的判断に「高い精度」が求められる捜査の場では、該当性の判断が難しいところもあり、捜査が難しくなっています。このように、許可を受けた適法なサービスは各種の監督・規制を受ける一方、無許可業者は『業法上の監督』を受けません。もとより、刑事的な捜査の対象にはなるが捜査段階におけるハードルが高く、その結果、結局『無許可業者』の方が普及する現象が生じています。

そして、結果として拘束を受けにくい無許可営業者の方が運営コストも低く、提供サービスも広いため普及が助長され、「許可業者の方が無許可業者よりも不利になる」、「無許可」の方が強化される、助長されてしまう、という逆転現象が生じているのが実情です。

ただし、最近は、民泊が盛んに行われている東京や大阪では、無許可でマンションを使った民泊が摘発を受けており、新法の施行、そして定着を図る上でも、違法民泊に対する取り締まりは、今後強化されることが予想されます。